- 直線(線分)という最小限の要素だけで「顔・山・木」を表現する実験プロセスを共有する
- 線を引くたびに意識される「両端の見えない点」や、対象を認識させる最小ルール(山の数など)を発見する
- 幾何学的な制約の中で頭を使って描くことで、表現の幅が広がり「描きたい」という欲求が高まる体験を伝える
どうもクリエイティブコーダーのワタタクです。
先ほど「線」についての記事(【幾何学×Processing】第3回 私たちが line() で描いているのは「直線」ではない?線の定義と3つの分類)を書き終えたあと、頭の中の理解を自分の手で確かめてみたくなり、実際にノートを開いて「線(直線)だけでモチーフを描く」という実験をしてみました。
テーマは「顔」「山」「木」の3つです。
定規とペンを使い、曲線を一切使わず、純粋な直線だけでどこまで対象を表現できるのか。実際に2ページ分描ききってみた結果、思っていた以上に深い発見と、強烈な「脳の疲れ」を味わうことになりました。
この記事を書いた人


クリエイティブコーダー
「才能」ではなく「発見」で描く。文系・36歳からの上達ログ。
- ゼロから独学でクリエイティブコーディングに挑戦し、以下の実績を達成
- 開始1年8ヶ月目までに公募6つに挑戦し、3つ入選(勝率50%)
- KITTE大阪の18メートルあるAxCROSS大型スクリーン
- 虎ノ門ヒルズステーションタワーB2F TOKYO NODE エントランスサイネージで展示
- UN:O(東京大手町)にある会員限定のサテライトオフィスにて2作品選出・常設展示
- 開始1年8ヶ月目までに公募6つに挑戦し、3つ入選(勝率50%)
- 開始1年9ヶ月目に、虎ノ門ヒルズ49階、地上250mのインフィニティプールへ作品提供・展示
線だけで「顔」を描く:両端にある「見えない点」の楽しさ


まずは「顔」からスタートしました。髪の毛、眉、輪郭、鼻、そして口まで、すべて直線だけで構成しています。
描いていて一番面白かった発見は、「線の両端には、見えない『点(端点)』が存在している」と強く意識できるようになったことです。
ただ漫然と線を引くのではなく、「ここから始まって、ここで止まる」という2つの見えない点を空間に打ち、その間を直線で結ぶ感覚。目や鼻や口を最小限の線分で配置していくと、人間の脳は勝手にそれらを繋ぎ合わせて「顔だ!」と認識してくれます。
線の両端にある点を意識した瞬間、ただ線を引くという単純作業が、空間を設計するようなパズルに変わり、線を引くこと自体が一気に楽しくなりました。
線だけで「山」を描く:3つ連なって初めて「山」になる


次に挑戦したのは「山」です。シンプルに山形の折れ線(山脈の稜線)を並べてみました。
ここで気づいたのが、「山は3つ描くと山だとわかるが、1つや2つだと山とはわかりにくい」という視覚のルールです。
直線で尖った山を1つだけ描いても、ただの「への字(三角形の角)」にしか見えません。2つでもまだ記号的です。しかし、高さと重なりを変えた山を3つ並べることで、初めてそこに「奥行き」や「連なる山脈の風景」が立ち上がってきます。
最小限の要素で風景を成立させる「臨界点」が3つだったというのは、実際に手を動かしてみて初めてわかった大きな収穫です。
2つの山でも描き方(線の重ね方)によって、山に見えそう。
線だけで「木」を描く:頭を使うことで生まれる未知の形
ノートの右下では、「木」の表現に挑みました。普段私たちが「木」を描こうとすると、無意識に手癖でモコモコとした雲のような葉っぱを描いてしまいます。
しかし、「直線だけで表現する」というルール(制約)を課すことで、これまで一度も描いたことがないような新しい「木」の形が次々と生まれました。
- 枝分かれを鋭角の直線だけで表現した木
- 水平の平行線だけで葉の重なりを見立てた木
- 四角形やひし形を幹の上に配置して、幾何学的に抽象化した木
「木とは何か?」「どの要素が残っていれば木に見えるのか?」と頭をフル回転させて考えることで、感覚だけでは絶対に出てこないモダンで面白いデザインを引き出すことができました。
気づき:絵を描くのは、驚くほど「頭を使う」知的作業
今回の実験を通して一番強く実感したのは、「絵を描くのって、こんなにも頭を使うのか!」ということです。
感覚や手癖に任せて描くのではなく、幾何学のルールを意識しながら「どこに点を打ち、どの角度で線を引けば対象に見えるか」を論理的に組み立てていく作業は、まさにプログラミングや数学の証明と同じくらい脳のエネルギーを消費します。
実際、この見開き2ページを描き終えた直後、早朝から活動していたことも重なって、眠気が襲ってきてそのまま寝てしまいました(笑)。 それほどまでに、脳がフル稼働していたのだと思います。
「好きなジャンル」が見つかれば、描きたい気持ちが勝る
ノートの最後にもメモを残しましたが、今回一番嬉しかったのは心の変化です。
「好きなジャンルを見つけたら、下手と言われて気にして描かないというより、描きたいという気持ちが強くなる。」
一般的な「上手な絵」を描こうとすると、どうしても他人と比べてしまったり、自信をなくしたりしがちです。でも、自分なりの「幾何学×線」という好きな切り口(ジャンル)を見つけてしまうと、上手い・下手を超えて「次はどんな線の組み合わせで表現しようか?」という純粋な好奇心と描きたい欲求が圧倒的に強くなります。
今日の2ページの手描き実験は、これからProcessingでコードを書いていく上でも、間違いなく強力な土台(公理)になりそうです。
▼ あわせて読みたい
- 【幾何学×Processing 連載シリーズ】
それでは今日もレッツワクワクコーディング。

