ワタタクどうも。上達の研究家のワタタクです。
物事を深く理解したいとき、多くの人は「図解」や「メモ」を使います。
しかし、そこからさらに一歩踏み込んで「数式」にしてみると、驚くほど視界がクリアになったんです。
例えば、「上達」という概念をただ言葉で考えるのではなく、
上達 = (試行回数 × 修正精度)熱量
といった仮の数式に落とし込んでみる。
すると、ただのぼんやりした概念が、操作可能な「機能」として動き出します。
なぜ、言葉や図解以上に、数式は私たちの理解を深めるのか?
クリエイティブコーディングと執筆を行き来する中で気づいた、「数式化による思考の覚醒」について解説します。
数式は思考のノイズを許さない(曖昧さを消す究極の言語化)
言葉や図解は、実は「曖昧さ」を残したままでも成立してしまいます。
「AとBは関係がある」と矢印(→)で結ぶだけの図解は、なんとなく分かった気にさせますが、その関係の「濃さ」までは説明してくれません。
しかし、数式は残酷なほど正直です。
足すのか(+)、掛けるのか(×)、それとも指数関数的に効いてくるのか(n)。
記号を決定するプロセスで、脳は「この要素の正体は何か?」を極限まで突き詰めることになります。
- 言葉:「努力すれば報われる」
- 数式:成果 = 努力 × 方向性
数式にしようとした瞬間、「方向性がゼロなら、いくら努力しても成果はゼロになる」という残酷な真実(本質)が浮き彫りになります。
数式化とは、思考から不純物を取り除く「論理のろ過装置」なのです。
図解の弱点は「静止画」。数式なら「変化の法則」をシミュレーションできる
図解の最大の弱点は、「静止画」であることです。
書かれたその瞬間の状態しか説明できません。
一方で、数式は「変数(x)」を含んだ「シミュレーション装置」です。
思考を関数(y=f(x))として定義できれば、
「もし、ここの数値(x)を極端に大きくしたら、結果(y)はどうなるか?」
という思考実験が脳内で瞬時に可能になります。
- 図解:現在の構造が見える(地図)
- 数式:変化の法則が見える(エンジン)
「構造」を知っているだけの人と、「動きの法則」を知っている人。
どちらが応用が利くかは明白です。数式化するとは、物事の「ダイナミクス(動き)」を手に入れることと同義なのです。
実例】僕が実際に数式化した「継続システム」
では、具体的にどうやって思考を数式にするのか。
僕が普段、ブログやクリエイティブコーディングを続けるために無意識に回しているシステムを書き起こすと、こうなります。
継続力 = (好奇心 × 危機感) ÷ 手間
この数式を作ったことで、僕の行動指針は明確になりました。
- 分子(やる気)を増やす:新しい技術に触れて「好奇心」を刺激するか、今のままじゃダメだと「危機感」を持つ
- 分母(ハードル)を減らす:「手間」を極限までゼロにする。道具を机に出しっぱなしにする、テンプレートを作る
もし「最近続かないな…」と思ったら、気合で解決しようとせず、この数式に当てはめて「あ、分母(手間)が大きくなっているな」と冷静にデバッグ(修正)する。
これが、数式で思考するということです。
他にも数式にしている考え方は以下の記事に書いています。




クリエイティブコーディングが教えてくれる「世界の記述法」
私は普段、コード(数式)を使って絵を描いています。
そこで痛感するのは、「美しさすらも、比率(数式)で記述できる」という事実です。
黄金比、波の動き(サイン・コサイン)、粒子の拡散。
これらはすべて数式です。
自然界の複雑な現象も、突き詰めればシンプルな数式に帰結します。
私たちが「難しい」と感じる人生や仕事の悩みも、実は変数が多すぎるだけで、主要な変数だけを抜き出せば、美しい数式で記述できるのかもしれません。
【結論】思考の解像度を上げよう
もし、考えがまとまらなくて悩んだときは、紙に「図」を描くのをやめて、「あえて数式」を書いてみてください。
「この悩みの変数は何だ?」
「定数(変えられないもの)は何だ?」
「どこに係数(レバレッジ)を掛ければ解決する?」
そうやって世界を因数分解できたとき、あなたは悩み(カオス)の支配者になれます。
数式は、数学者のためだけのものではありません。
本質を見抜きたい、すべての表現者のための最強の思考ツールなのです。
執筆時の悩みが軽くなった数式。



