ワタタクどうも。上達の研究家のワタタクです。
最近、ふと気づいたことがあります。
「あれ? そういえば最近、全然ニュースを見ていないな」って。
今年(2025年)の上半期は毎日のようにチェックしていた世間のトレンドや事件、ゴシップが、今は驚くほど気にならなくなっているのです。
むしろ、目に入っても「ふーん」とスルーしてしまう。
最初は、「もしかして自分は、社会に関心がない冷たい大人になってしまったのか?」と少し不安になりました。
しかし、よく振り返ってみると、理由ははっきりしています。
今、自分がやっている「創作活動」に、頭のてっぺんからつま先まで没頭しているからです。
何かに本気で打ち込んでいる時、この現象は脳が「超・集中モード(フロー状態)」に入った証拠として現れます。
なぜ、作ることに夢中になると、自然とニュース(ノイズ)が聞こえなくなるのか。その心理的メカニズムを3つの視点で紐解いてみます。
「観客席」から「ステージの上」に移動したから
ニュースや誰かのゴシップを消費している時、僕たちは人生という劇場の「観客席」に座っています。
他人が演じるドラマを眺めて、時間を潰している状態です。
しかし、絵を描いたり、文章を書いたり、コードで作品を生み出している時、僕は観客席を立ち、「ステージ上の主演俳優(プレイヤー)」になっています。
- 観客の心理:「暇だな、何か面白いこと起きないかな?」
- プレイヤーの心理:「次の展開はどうする? 配色は? ここをもっと良くするには? 時間が足りない!」
舞台の上で必死に演じている役者は、客席の暗闇で誰がポップコーンを食べているか、いちいち気にしていられません。
ニュースが気にならなくなったのは、他人に無関心になったからではありません。
ワイドショーで流れる他人の人生よりも、「自分の人生(作品作り)」というコンテンツの方が、圧倒的に面白くて重要になったからです。
脳のメモリが「創造的な演算」で埋め尽くされている
人間の脳が処理できる情報量(メモリ)には限界があります。
創作活動は、論理(ロジック)と感性(アート)を同時にフル回転させる、非常に負荷の高い作業です。
「どうすればもっと美しくなるか」「どうすれば人に伝わるか」。
今の僕の脳内は、こうした「高密度なクリエイティブ思考」でパンパンになっています。
脳は非常に優秀な司令塔なので、メモリ不足を防ぐために優先順位をつけます。
「今の制作活動に、芸能人のスキャンダルや遠い国の政治不安は『不要な変数』である」
そう判断し、自動的にフィルタリング(遮断)を行っているのです。
これを心理学で「選択的注意(Selective Attention)」と呼びます。
ニュースを見なくなるのは、脳が「作品のクオリティを上げるため」に、リソースを最適化している健全な証拠なのです。
「ドーパミンの入手先」が消費から達成へ変わった
僕たちは情報の刺激を得ることで、脳内物質(ドーパミン)を分泌させます。快感を得るためです。
しかし、その入手ルートには2種類あります。
- 消費のドーパミン:ニュースを見て驚く、不安になる、怒る。(手軽だが、すぐに消える)
- 達成のドーパミン:難解な課題を解決した、作品が完成した。(苦労するが、極上の喜びが続く)
創作に深くハマると、安易なニュースで得られる刺激では満足できなくなります。
「自分の手で何かを生み出した」という達成感こそが、最高級のステーキのような味わいだと、脳が知ってしまったからです。
一度その味を知ると、道端の雑草(自分に関係のないノイズ)をわざわざ食べようとは思わなくなります。
これはクリエイターとしての「味覚」が肥え、ステージが上がったということです。
【補足】ニュースを見ている人はダメなのか?
もちろん、ニュースを見ること自体が悪いわけではありません。
クリエイターには、新しい情報を仕入れる「インプットの時期(拡散モード)」と、外部を遮断して作り込む「アウトプットの時期(没頭モード)」というサイクルがあります。
ニュースを熱心に見ている人は、今は「素材を集める時期」なのかもしれません。
逆に、ニュースが気にならなくなっている人は、今まさに「形にする時期」のピークにいるということです。
【結論】その「遮断」を誇ろう
もし今、あなたが世間の話題についていけなくても、焦る必要はありません。
それは、あなたが「自分だけのニュース(作品)」を作り出すことに忙しいからです。
世界を変え、人を感動させるのは、いつだって「ニュースを見ている人」ではなく、「ニュースになるようなモノを作っている人」です。
雑音が消えたその静寂の中で、思う存分、自分の世界を掘り進めていきましょう。
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